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さて、本日も業務のお話です。
遺産整理業務と聞いて皆様はどのようなことを想像しますか? ある人が亡くなってその住居に家具や電化製品、着物や洋服など個人ではとても処分しきれない動産を残していった場合に整理して廃棄処分する業務でしょうか? 最近は清掃業者さんなどでそのような業務を手掛けているのをインターネットなどで見かけるようになりました。
しかし、司法書士が遺産整理業務と言いますと内容が少々異なります。
簡単に言いますと、故人が残した財産(相続財産)を相続人に分配する手続きです。
そもそも遺産整理業務は何がきっかけに始まったかといいますと、司法書士は140年余りの歴史の中で不動産の名義変更手続きに大きく関与してまいりました。その中でも、人が亡くなってその人が持っていた不動産(自宅など)をその子供や妻に名義変更するという相続登記は、司法書士の最も得意とする分野の業務でしたし、現在に至っても変わりはありません。
一方で近年、不動産に限らず、銀行、信用金庫、郵便局、農協などの預貯金口座、証券会社の口座などの解約の手続も併せて行って欲しいというニーズが高まってきております。
平成14年の司法書士法改正の際、司法書士方施行規則で司法書士は、「当事者その他関係人の依頼により管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務」(一部抜粋)をすると定められました。法令等でこのような業務が明文化されているのは、弁護士と司法書士だけと聞き及んでおります。
このように、財産管理、処分が可能であると明文化されたことにより、司法書士が遺産整理業務ができることが明らかになり、それ以来業務として取り扱うようになってきたように思われます。もっとも、黎明期には、金融機関や証券会社から司法書士にそのような手続ができるという事が直ぐには理解してもらえず、口座解約に相当の苦労した時代もありましたが、現在では司法書士業務として浸透し、以前に比べるとスピーディーに口座解約等に応じてもらえるようになりました。
ただし、注意しなければならないのが、このような口座解約の手続には相続人全員の委任(同意)がなければできないということです。
司法書士が行うことで、委任を受けていない相続人の同意が必要なくなるということではありませんので念のため申し添えておきます。
当法人でももちろん上記のような業務を取り扱っておりますので、御利用いただければ幸いでございます。
長文最後までお読みいただき有難うございます。